月下の君には秘密です。


声を、掛ければ良い。

今から走ってって、
『何してんだよ~ッ』って…、

いつも通り言えば良い。


俺はそれが出来なくて。
ただ…
道端に立ってた。


会話までは聞き取れないのが、もどかしくて。
でも多分知りたくもなくて…。


穏やかに幸せそうに笑い合う、どう見てもお似合いの二人を見ていたら…

俺は動けなくなってしまった。



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