【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
□Prolog〜プロローグ〜
同期からのいきなりのキス
「ねぇ、ちょっと、千歳……?」
「桃子、お前アイツが好きなのか?」
会社の同期である千歳は、真剣な眼差しで私にそう問いかけてくる。
私の同期・加瀬(かせ)千歳(ちとせ)
私は千歳のことがよく分からない。 千歳は私のこと、どう思ってるのか。
そんなこと、分かりっこない。
「えっ、アイツって……?」
「営業二課の北山だよ」
千歳は私の腕を壁に押し付け、じっと見つめてくる。
「え、北山くん……?」
な、なんでそこで北山くんが出てくるの?
「答えろ。お前、アイツが好きなのか?」
「な、何言ってんの?」
わ、私が北山くんのことを好き? そ、そんな訳ない……。
「この前、一緒にいただろ。北山と」
千歳はそんな私に、そう告げる。
「あ、あれは……」
まさかあの場面を見られてたなんて……。
「答えろよ。好きなのか?北山のこと」
「……違うよ」
なんで千歳は、急にそんなことを言い出したのか、私にはまるで分からない。
「本当に違うのか?」
「違うよ。なんでそうなるの……?」
意味が分からない。
そもそも私がもし北山くんのことを好きだったとして、それが千歳に何の関係にあるっていうの?