【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 千歳は雑炊を美味しいと言ってくれた。

「ちょっとだけでもいいから」

「……ん」

 相当体調が悪いのだろう。顔色がイマイチ良くなっていない気がする。

「もう少し……食べていいか?」

「うん、いいよ」

 何度か雑炊を口に運ぶと、千歳は「雑炊、美味かった」と口にした。

「良かった。 じゃあ、薬飲まないとだね」

「ん……」

 千歳は薬を飲むと、再びベッドの中へと潜り込む。

「また夜、雑炊持ってくるから、それまでゆっくり休んでてね」

「分かった……」

 おでこの冷えピタを新しいものに変え、寝室を後にする。

「なんか、辛い……」

 普段からツンツンしてる千歳が、こんなに体調悪いと大人しいだなんて……。

「なんか……調子狂う」

 千歳にツンデレだとか、素直になれよとか、言ってもらえないとか……ちょっと寂しい。
 いつの間にか私の中で、千歳がこんなにも大切な存在になっていたなんて……知りもしなかった。

 そんなに私は、千歳のことを好きなんだ。 すごくすごく、大切な存在。
 愛してるって……きっとこういうことを言うのかな。
 千歳のことが大好きで大好きで仕方ない私は、きっと千歳のことを愛しているのだろう。
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