【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
夜になり、寝室のドアをそっと覗くと、千歳はまだ眠っていた。
千歳のそばにより、冷えピタを外しておでこに手を当ててみる。
「ん……」
千歳の熱は少し下がったようで、朝よりは少し熱が引いている感じがした。
「も……もこ……?」
「ごめん、起こしちゃった……?」
新しい冷えピタに変えようとした時、千歳はゆっくりと目を覚ました。
「いや……大丈夫」
「体調はどう?」
そう聞くと、千歳は「ちょっと、良くなった気がするかな」と答えてくれた。
「そっか、それは良かった」
少しだけ顔色も良くなってきたみたいだ。ちょっとだけでも元気になってくれたら、私はそれで嬉しい。
「桃子のおかげだよ。……ありがと、桃子」
千歳は目を細めながらも、優しく微笑む。
「ううん。夫の看病をするのは妻の役目なんだから、当たり前でしょ?」
「……ん、そう言ってもらえると心強いな」
千歳の言葉に、私は「雑炊、食べれそう?」と、頭を撫でながら聞いてみる。
「ん……食べる」
なんか……。なんか、弱ってる千歳って……。
「……可愛いね、千歳」
「はっ……?」
すっごい、可愛い。いつもの千歳じゃないから、可愛い。