【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「もしかして、照れてるのか?」
急に喋らなくなった私の顔を、千歳は見下ろしてくる。
「……わ、悪い?」
「へえ? 今日はツンデレじゃないんだな?」
私だって、いつもツンツンしてる訳じゃない。 ツンデレだって千歳は言うけど、それは照れ臭いから素直になれないだけ。
全くもって、千歳の言うとおりだ。
千歳は私のこと、なんでも見透かしてる。 千歳にはやっぱり敵わない。
たまにムカつくなって思うのに、こうやって嬉しい言葉くれたり、頭撫でてくれたり、抱きしめてくれたりするから。
本当にずるいことばっかりだ。 私が千歳に勝つ日は……なかなか来なそうだ。
「今日くらい、素直になってあげようかと思っただけよ」
そんな私のツンデレな発言を聞いて、千歳はちょっと嬉しそうに「やっぱツンデレだったか」と笑っている。
「お前はそれでこそだよ、桃子」
「なに、どういうこと?」
不思議に思っていると、千歳は「分からないのか? お前が最高ってことだよ」とちょっとだけ乱暴にキスをする。
「んもう、まだキスはダメだよ」
「キスくらいいいだろ?」
「ダメ。ちゃんと治ってから」
千歳はニヤニヤしながら「分かったよ」と返事をした。