【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「でも、俺に抱かれてる時のお前は、最高に可愛いけどな」

 耳元でそう囁かれて、顔が真っ赤になるのがすぐに分かった。

「さ、サイテー……」

 すぐそうやって私をからかって……!

「お前は知らないかもだけど……あんな顔、誰にも見せたくないって思うほど、最高に可愛いかった」

 ーーーっ!

「……ずるい、そういうの」

 私はこういう言葉に弱いみたいだ。 恥ずかしさが混じって、なんにも言えなくなってしまう。

「もうお前を手放せぇよ、一生」

「手放すとか……そんなの、私が許さないから」

 これだけ千歳に溺れさせておいて、手放すとか……絶対に許さない。
 千歳がいないとダメだっていう風にしたのは、千歳自身なんだから。

「お前は俺のものだからな、あの日から」

「……アンタ、もしかして確信犯だったの?」

 私を抱いた後でプロポーズしまえば、私は罪悪感から、そのプロポーズを受けると確信していたのではないか、私は今そう思っている。

「そういうことにもなるかもな」

「アンタ……やっぱ最低じゃん」

 そう言葉を告げると、千歳は私を見るなり「でも事実、お前は俺のものになっただろ?」とニヤニヤと怪しい笑みを浮かべている。
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