【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「……バカ千歳」

 千歳って、必死だったんだ。私を捕まえるために必死で頑張ってたんだと思うと、なんかかわいいなと思う。

「桃子、お前を誰よりも愛してる」

「……うん」

 真剣な眼差しを向けられると、私は何も言えなくなる。 

「お前は最高にいい女だ」 

 この幸せがずっと続けばいいのにって……そう思っているのは、きっと私の方だ。

「アンタも……最高にいい男だよ」

 私の中では、千歳はナンバーワンの男。他の誰でもなく、千歳じゃないとダメなの。

「当たり前だから」

 ドヤ顔で私を見るから、つい「ドヤ顔しないでくれる?」と聞き返す。

「ドヤ顔なんてしてない」

「いや、してたから」

 でもこれが私たちの夫婦としての毎日だ。小さいことでツンツンし合ったり、たまには甘えてみたりもしながら、ちょっとずつ距離を詰めている。

「お前こそ、ドヤ顔だな」

「はっ?そんな顔してないから」

 私のどこがドヤ顔だって言いたいのよ。

「してるだろ? 俺のことが好きすぎて困るっていう顔してるぞ」

 そんな千歳の言葉に、私は思わず「それはアンタの勘違いでしょ? アンタの方が私のこと愛してるくせに」とつい可愛くないことを口走ってしまう。
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