【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
前に見た店の雰囲気とはまるで違う。ラグジュアリーな雰囲気に変わっている。
一言で言うと、まるで魔法みたいだ。
ここまで店を大きく変えるのは、相当大変だったはずだ。
相当苦労したに違いない。
店内には何人かお客様がいるが、そのほとんどが女性だ。女性が入りやすい店を作った店長は、かなり腕がいいということだろう。
ここまで店を盛り上げれるなんて、すげぇ逸材の可能性がある。
「すみません、店長さんいますか? 今日店長さんと打ち合わせの約束をしているのですが」
「店長ですか? 少々お待ちください」
数分後、俺の目の前に店の店長という女性が現れたのだったが……。
「初めまして、加瀬と申します。本日はお時間いただきありがとうございます」
挨拶をするためその店長の顔を見た俺は、驚いた。
「……え?」
その女は、俺のよく知っている人だったからだ。
「……もしかして、加瀬くん?」
「和佳奈(わかな)……?」
和佳奈は、俺の大学時代に付き合っていた元カノだった。
「ほんとに加瀬くん、なの?」
「和佳奈……なのか?」
まさかこんな所で和佳奈と再会するなんて、思ってもなかった。……あの日以来、何年ぶりだろうか。