【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 千歳は「お前にはほんと敵わねぇな、桃子」とちょっとだけ嬉しそうに笑っていた。 

「……なんで嬉しそうなの?」

 不思議に思いそう聞くと、千歳は私を向かって「だってそれってさ、嫉妬ってことだろ?」と得意気に聞き返して来る。

「……嫉妬なんて、別にしてないけど」

「それを嫉妬って言うんだろ?」

「ち、違うからっ」

 これは嫉妬なんかじゃない。ただの心配よ!

「ああ、お前に嫉妬されてると思うと、なんか嬉しいわ」

「はっ!?」

 嬉しいって、何が嬉しいのよ! 

「相当俺に惚れ込んでくれてんだ?」

 怪しく微笑み、問いかけてくる。

「はっ?別に……!」

「相変わらずツンデレだな、お前は。 そこがいいんだけどさ」

「うるさいから。私、ツンデレじゃないし」

 そういう態度を取るから、ツンデレだって言われてるのかもしれないけど。
 私はこれが普通だから、ツンデレって感じしてないのに。

「いい加減認めたらどうだ? ツンデレだって」

「イヤよ。絶対に認めないからね」

 再びベッドに潜り込むと、千歳は私をぎゅっと抱き寄せてくる。
 悔しいけど、私はこの温もりを欲している。すでに虜になっているのだろう。
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