【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「分かった。じゃあ意地でも認めさせるしかねぇな」

「ええ……」

 千歳はどうしても、私をツンデレだと認めさせたいようだ。
 認めるもんかって思うけど、そうするしかなさそうだ。

「ねぇ、千歳……」

「……ん?」

 千歳の手を握った私は「大好きだよ、千歳。……ほんと大好き」と伝えた。

「ん、サンキュ」

「……おやすみ、千歳」

「ん、おやすみ」 
  
 その後は二人、ベッドに潜り直し朝まで眠りについた。

 千歳のことを信じていた私は、まさかあんな場面を目撃してしまうとは、この時思ってもなかったーーー。




✱ ✱ ✱


「千歳、今日夕飯食べて帰らない?」

 それから数週間は、いつも通りに生活していた。
 だけど異変が起き始めたのは、その頃からだった。

「悪い。今日先輩たちに飲み会誘われちまった」

 いつものように夕飯に誘ったが、なぜか今日は断られてしまった。
 そんなこと、今までなかったのに。

「あ、そうなの? じゃあ、仕方ないね」

 先輩たちとのコミュニケーションの場も必要だもんね。

「悪いな。あんまり遅くならないようにするから」

「ううん、楽しんできてね」
 
「帰る時はちゃんと連絡する」
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