【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
その後カードキーをタッチして退社した。
千歳が先輩たちと飲み会とだと言っていたから、今頃もう飲み会行ってるのかな?
なんて思いながらお弁当屋さんに立ち寄り、夕飯に食べるお弁当を購入した。
「ありがとうございました〜」
お弁当屋を出て再び歩き出した私は、何気なく交差点方面を目指して歩いて行く。
そして歩行者信号が青になり再び歩き出す。信号を渡り終えた所で、ふと視線を道の向こうに向ける。
「……あれ?」
えっ、あれって……。道路の向こうに見える二人の男女の姿に、見覚えがある。
だってその男性は……その男性は……。
「……千歳?」
その姿は間違いなく、夫である千歳だ。夫のことを見間違える訳がない。
あれは間違いなく、千歳だ。 じゃあその隣にいる女性は、もしかして……。
「……真嶋さん?」
多分あれは、真嶋和佳奈だと思う。写真で見た時よりも髪の毛の色も変わり、髪も短くなっているけど、あれは多分真嶋さんだ。
千歳の隣に嬉しそうに寄り添っている真嶋和佳奈の姿は、どこか恋人っぽくも見えるような気がした。
まるで美男美女、とでも言うのだろうか。 そもそもなんで千歳が、元カノと一緒にいるのだろうか。