【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
今日は会社の先輩たちと飲み会だって言ってたのに……なんで?
私はその姿を見つめたまま、その場から動くことが出来なかった。
「千歳……」
お願いだから、私に気付いてよ。私は今ここにいるよ。
ねぇ、どうして気付いてくれないの……?
真嶋和佳奈は、千歳にべったりとくっついて楽しそうに笑っている。 千歳も楽しそうに微笑み合っていて、私はその姿を見て寂しさを感じてしまった。
千歳の元に駆け寄りたいのに、足が動かないんだ。
私に気付くことがないまま、真嶋和佳奈と千歳は話を続けている。
「千歳……」
千歳のことを信じてるのは私、信じると言ったのも私。……なのに私は、今ここで何も出来ずにいる。
私は唇を噛み締め、思わず俯いた。
次に顔を上げた時、私の目に飛び込んできたのはーーー。
「……っ」
真嶋和佳奈が、千歳の身体を引き寄せて抱き着いている姿だった。
その姿を見てしまった私は、その場から立ち去ってしまった。
「っ……」
どうしよう、今すごく心が痛い。そして泣きそうだ。
千歳と真嶋和佳奈が二人きりで一緒にいることが、のんでこんなにも辛いのだろう。
心がモヤモヤして、今にも泣いてしまいそうだ。