【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「……そっか。そうなのか」
「そうだよ。ほんとに……なんでもないから」
確かに北山くんには、あの時告白されたけど……。そんなこと、千歳には言えないな。
「そうか。……そうだったのか」
「もう、千歳ってば……勘違いしすぎ」
私は千歳から目を逸らす。
「……お前が悪いんだろ、桃子」
「え?……っ!」
千歳は私の腕をグッと引き寄せる。
「やっぱお前、ムカつく」
「はあ? そ、それは私のセリフなんだけど……!」
いちいち突っかかってくるのやめてよ、もう!
「おい、桃子」
「な、なによ」
なんで、千歳はこんなに私のこと……。
ムカつくのに、ほんとにムカつくって思ってるのに……。
千歳から目が離せないのは、なぜなのだろうーーー。
「お前、俺と結婚しろ」
「……はっ?」
え……? えっ?!
「俺と結婚しろよ、桃子」
「……私が? 千歳と、結婚!?」
なんで、なんで!? なんでそうなる!?
「言っただろ。お前を絶対離してやらないって」
「そ、それは……っ」
確かに昨日、そんなことを言われた気がするけど!
「だから、俺から離れられないようにしてやる」
「だ、だからって……!」