【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 なんで結婚になるの!?

「お前はもう俺のものになったんだから、大人しく言うこと聞いておけよ」

「わ、私はアンタのものじゃ……っ、んっ」

 私の言葉は千歳の唇によって塞がれて、遮られていく。

「んぅっ……んっ」

 私は、千歳のキスを受け入れている。 拒もうとすれば拒むことなんて、簡単なことなのに。
 でもそれが出来ないのは……。

「言っただろ?お前の心も手に入れてやるって」

「っ……ほんとムカつく」

 千歳に身体を奪われてしまったからかも、しれない。
 千歳のペースに乗せられてると分かってるのに、私は千歳の心に自らが入り込もうとしている。 
 
「……なんで、こんなことになっちゃったんだろう」

「そういう運命なんだよ」

「運命?」

 違う、これは運命なんかじゃない。 運命だとしたら、私たちの相性は抜群に悪いはずだ。
 でももしかしたら、いつの間にか……意識しあってたのかもしれない。

「……ねぇ、千歳」
 
「なんだよ、桃子」

 私は千歳の服を袖を引っ張り、自分の方に引き寄せる。

「……おい、桃子?」

「千歳と私は……色々と相性が悪いよね」

「相性?」

 そう、相性。

「でも……アンタと私は、昔からそうだった」
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