【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
そういえば……確かに今月、生理が遅れている。いつもなら遅れたとしても、予定日をちょっと過ぎるくらいだった。
なのに今月は、一週間ちょっとも遅れている。 それが妊娠の前兆だったのかな……。
その日の午後は上司に許可をもらい、半休をもらって会社からタクシーを拾って、近くの病院へとやってきた。
「加瀬桃子さん、診察室へどうぞ」
「はい」
「今日はどうされましたか?」
「あの……妊娠してるかどうか知りたいんです」
もし妊娠していたら、すぐにでも千歳に知らせたい。きっと喜んでくれるはずだから。
私たちの赤ちゃん……出来てるといいな。
✱ ✱ ✱
「ただいま」
「あ、おかえりなさい」
「おう」
夜になり、千歳は夕飯の準備をしている時に帰宅した。
「今日は早かったんだ」
「たまたま早く終われたんだよ」
ネクタイを緩めながら、千歳はカバンをソファに置く。
「そっか」
「それより、体調大丈夫なのか? 今日早退したんだろ?」
千歳は心配そうな表情を見せている。
「あの、そのことなんだけどね」
私はリビングに移動し、千歳に駆け寄る。
「ん?」
「そのことで、千歳に話があるの」