【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 千歳は「話したいこと?」と私を見る。

「うん、大事な話だよ」

 私の顔を見て、それがなんなのかをなんとなく悟ったのか、千歳は「分かった。じゃあ、着替えてくるからちょっと待っててくれるか?」と寝室へと向かう。

 数分経って部屋着に着替えてきた千歳は、ソファに座ると、私も隣に座るように促す。

「それで、話って?」

「あのね、嬉しいお知らせだよ」

「嬉しいお知らせ?」

 私は「うん、そう」と頷くと、千歳は「なんだよ?もったいぶってないで教えろよ」と身体を引き寄せてくる。

「あのね、実は……赤ちゃんが出来たみたいなの」

「え? 赤ちゃん?」

「うん、赤ちゃん」

 千歳はこの事態を上手く飲み込めているだろうか。
 私もまだ信じられないけど、今ほんとに幸せだ。嬉しいんだ。

「それって、もしかして……」

「うん、そのまさかだよ」

「……え、じゃあ」

 千歳はようやく悟ったのか「じゃあ……桃子、妊娠してるのか?」と信じられないような表情を浮かべている。

「うん。妊娠したんだよ、私」

 千歳と私の赤ちゃんが、ここにいるんだ。

「マジかよ……。ほんとかよ?」

「ほんとだよ。私もまだ、信じられないんだけど」
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