【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 でもほんとに、嬉しいなって思う。

「……そうか、妊娠か。 桃子が妊娠……」

「千歳……?」

 千歳の顔を覗き込むと、千歳は私の身体を引き寄せて力いっぱい抱き締める。

「千歳、どうしたの?」

「俺、すげぇ嬉しい」

「えっ……?」

 千歳の声は少し震えていたけど、喜びを噛み締めているようにも見える。

「妊娠って……すげぇ嬉しいって」

「ほんとに……?」

「ほんとだよ。 俺めっちゃ嬉しいんだけど」

 千歳がこんなに喜んでくれるなんて……。私、幸せすぎる。

「……ありがとう、千歳。喜んでくれて、私も嬉しい」

 千歳と私に出来た赤ちゃん。

「そっか。……家族になるんだな、俺たち」

「うん、そうだね」

 これからは赤ちゃんと私と千歳と、家族三人になるんだ。

「なあ、桃子」

「ん……?」

 千歳は私の手をぎゅっと握りしめ「家族になるって……こんなに嬉しいものなんだな」と微笑む。

「うん、嬉しいね」

 幸せを噛み締めている私たちは、嬉しい気持ちでいっぱいになっていた。

「でもあれだな、妊娠してるとなるとしばらくお前を抱けないな」

「ちょっと……!」

「冗談だよ」

 もう、千歳ってば……!
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