【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
□家族が増える喜びの中で
成長していく姿
妊娠が分かってから早ニヶ月ほど。
「うう……気持ち悪い……」
私は慣れないつわりと戦っていた。こんなのに慣れたくはないが、気持ち悪いとなにも出来なくなる。
ずっとゴミ箱とお友達になってしまっている。
「大丈夫か?桃子」
と千歳は聞いてくるが、私は「大丈夫な訳がないでしょ」と答える。
こんなにつわりって辛いんだって実感してから、私はなんにも出来なくなる。
辛くてソファから動けなくなる。
「なんか食べれそうか?」
「無理……」
ご飯のニオイ嗅ぐだけで気持ち悪くなるから、食べれそうにない。
「そうか。 食べれそうな物とか、あるか?」
そう聞かれても、分からないとしか言いようがない。
「なんかないのか?ゼリーとか豆腐とか」
「なんで豆腐?」
ゼリーの次は普通プリンとかじゃないの? 豆腐って!
「豆腐はさっぱり系だろ?」
「まあそうなんだけどさ」
ゼリーからのプリンなら分かるけど、なぜか豆腐だよ?
千歳の言うことが面白くて、つい笑ってしまった。
「なに笑ってんだよ、桃子?」
「ううん、変なこと言うから面白くて」
「いや、変なことは言ってないだろ」
「変だよ。だって豆腐だよ?」