【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
二十分ほどして、千歳はスーパーから帰ってきた。
「桃子、キウイフルーツ買ってきたぞ」
「あ、ありがとう……」
起き上がるだけでもこんなに辛い。
「今切ってやるから、ちょっと待ってろよ」
「ありがとう。ごめんね」
「気にすんな。妊娠してるんだから、仕方ないだろ?」
ああ、千歳って優しい。ほんとに優しい。
こんなに優しくしてくれるなんて、私は幸せ者だな。
「ほら、キウイフルーツ」
「ありがとう」
千歳の買ってきてくれたキウイフルーツを一口食べると、すごく酸味がいい感じで美味しかった。
「どうだ?美味いか?」
「うん、美味しい。さっぱりしてるね」
普段あんまり食べないキウイフルーツをこんなに美味しいと思えたのは、初めてだった。
酸味がちょうどよくて、すごく食べやすい。
「美味しい……。これなら食べれそう」
「そうか。良かったな」
キウイフルーツを食べる私を眺めながら、千歳は「あ、ついでに豆腐も買ってきたから」と笑った。
「え?豆腐も買ってきたの?」
「ああ、食べれそうなら食べればいいよ」
「……ん、ありがとう」
千歳の優しさがひしひしと心に染みた。こういう時頼りになるのは、千歳だ。