【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「はい、奥様。キウイフルーツお待ち」

「ありがとう、旦那様」

 赤ちゃんのためにも、ちゃんと頑張りたい。

「美味しい。もっと酸味強くてもいいかも」

「えっ。それ結構酸っぱいヤツだろ?」

 不思議そうな顔をする千歳に、私は「うん?まあ、そうなのかな?」と食べながら話す。

「でも今はこの酸味がいい感じなの」

「そっか、今のうちにたくさん食べとけ。飽きなければだけど」

「うん、そうするね」

 キウイフルーツを食べれるのは、つわりのある今だけだと思うんだよね。
 梅干しもレモンも、多分今のうちだけ。

「白いご飯とかは、まだ無理そうか?」

「……無理だね。ご飯のニオイ、ほんとダメなんだよね。気持ち悪くなっちゃう」

「そっか。 早く白いご飯、食べたいよな」

「うん、食べたい」

 白いご飯を食べれる日が来たら、目一杯食べようと思う。
 白いご飯がこんなにも恋しくなるとは、思ってなかった。 普段何気なく食べてる物が食べれないなんて、ちょっと悲しい。

「じゃあつわり良くなったら、白いご飯食べような」

 私は「うん」と頷きながら、お腹に手を当ててみる。

「赤ちゃん、育ってるかな」

「育ってるといいな」

「うん」
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