【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「仲良さそうだっただろ。どう見ても」
「そんなことないよ。……ってか、腕離してよ千歳。痛いんだけど」
そう伝えたけど、千歳は私の腕を離そうとはしない。
「千歳、離してってば……」
「本当に好きじゃないのか?北山のこと」
「だから、違うって言ってるでしょ」
何でこんなに千歳は、私のことに興味を持ってるのだろうか。
「だったら、お前は誰が好きなんだよ」
「はっ?」
「お前、好きな男いるんだろ? 誰だよ、教えろよ」
はっ?なんでそうなるの!? どうなってそうなったの?
「……千歳には、関係ないでしょ」
「関係なくないから」
え? それ、どういう意味……?
「もう、いい加減にしてよ。離してって言ってるでしょ」
「……離す訳ねぇだろ」
千歳の声は少し低くて、今まで聞いたことないくらいの表情をしていた。
「千歳……?」
「……桃子」
名前を呼ばれると、掴まれた腕の力が少しだけ弱まる。
「ち、とせ……?」
千歳は私の手をそっと握ると、私をそっと引き寄せる。
「えっ……!?」
え、なになに!? ちょっと、なに!?
「桃子、お前は俺だけのものになれよ」
「……え?」