【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
北山くんは優しいから、私を責めたりしない。
「じゃあ、俺行くよ」
「うん。……またね」
「おう」
北山くんの背中を見つめていると、後ろから千歳がやってくる。
「おい、桃子」
「……千歳!」
千歳は私の身体をグッと引き寄せる。
「ちょっと、なに!?」
「なに話してた?アイツと」
「なにって……別に、大したことないじゃないけど」
なのに千歳は、私に「なに話してた?」と再び聞いてくる。
「……結婚おめでとうって、そう言ってくれただけだよ」
「ふーん」
ふーんって……。それだけ?
「もう、なんなの千歳?」
そう聞くと、千歳は私に「俺以外の男に近付くな」と言ってくる。
「……話すくらい、別にいいでしょ」
これが千歳的に言う、ツンデレというヤツなのかもしれないけど、なんかやっぱムカつくんだけど。
「お前、ほんと分かってねぇな」
「なにがよ」
意味が分からない。
「お前は俺の妻になるんだから、俺以外の男に近付かないだろ、普通」
「なに?そこまで束縛するつもり?」
千歳って、嫉妬深い?
「お前は俺のだろ」
「……そういうの、ほんとムカつく」
こんな男と結婚するなんて、言わなきゃ良かった……!