【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜

  
 こうして遥陽の寝顔を見つめながら千歳と語り合うことが、すごく楽しいと思える。

「よし、じゃあお茶でも淹れよっか」

「お、いいね。寒いしな」

 キッチンでお湯を沸かしている間、千歳はずっと遥陽の寝顔をそばで見つめていた。
 今の千歳は、父親の顔だ。 父親になったからこそ、父親として遥陽のために頑張ると言っていたから、私はそれを見守ることにする。

 どんなことがあっても、私たちの一番は遥陽だから。遥陽がいるからこそ、私たちはもっと輝いていける。
 遥陽という大切な宝物を手に入れた私たちは、この先もずっと。遥陽が大人になるその日まで、遥陽のことを思い続けるだろう。

「千歳、はい。お茶」

「ありがとう」

 千歳はずっと遥陽のことを見つめているから、つい「ちょっと、いつまで眺めてんの?」と聞いてしまう。
 千歳は嬉しそうな顔で「だって可愛くて」と微笑んでいたけど、千歳のこんな顔あんまり見たことなくて新鮮だなって感じた。

「親バカだね、ほんと」

「ああ、親バカだな。可愛いすぎるだろ」

「確かに、可愛いすぎるね」

 千歳ってば、すっかり変わったな。これも遥陽のおかげかな?

「遥陽が起きたら、お風呂入れないとだね」
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