【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 千歳のことをグッと睨みつけるが、千歳は全く動じない。

「束縛しないでくれない?」

「してない。当たり前のことを言っただけだ」

「なにが当たり前なのよ!」

 そんなの全然当たり前じゃない! 

「うるせぇな。キスされてぇのか?」

「……最低」

 千歳がそんなこと言うのが悪いと思う。

「お前は大人しく俺のそばにいろ」

 私の肩を抱く千歳は、そう言ってくる。

「……アンタ、もしかしてヤキモチ妬いてんの?」

 ここまで独占欲をあらわにするってことは、そういうことなのかな?って思っちゃう。

「はっ? そんな訳ねぇだろ」

「……あっそ」

 なんだ、違うのか。……って、私はなにを期待してるんだ。

「お前、俺が嫉妬するとでも思ってんのか?」

 と聞いてくる千歳に、私は冗談交じりに「違うの?」と聞き返す。

「さあ?」

 とぼけるような態度を見せる千歳に、なんでこうもイラッとするのか、誰かに教えてほしいくらいだ。

「アンタ、ほんとムカつくね」

「ふん、なんとでも言っとけ。 お前は俺のだから、誰にも渡すつもりはないからな」

 私にそう言葉を残すと、千歳はさっさと立ち去っていく。

「……なんなの!」

 もう、腹立つ!
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