【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「なにが腹立つんだ?」

「えっ? し、室長!」

 ヤバ!今の聞かれてた!?

「なんだ。加瀬とケンカでもしたのか?」

「え?」

「お前たち、結婚するんだろ? 早く仲直りしろよ」

「……はい。ありがとうございます」

 はあ……。あの言葉、今すぐ撤回したい。
 結婚するなんて言わなければ良かったと、つくづく後悔。

「加瀬はああ見えて、意外と素直なんだぞ」

「……千歳が、ですか?」

 え、全然そんなふうに見えないんだけど!?

「前にすごいため息ついてたことがあってな、なにかあったのか?って聞いたら、加瀬は好きな人に振り向いてもらえないと嘆いてたぞ。 それ、天音のことだったんだな」

「……千歳が?」

 ウソ……。全然そんなこと知らなかった。

 千歳が恋のことで悩むだなんて、想像したこともなかった。
 まさか、そんなことを……。

「加瀬は素直になれないみたいだから、色々と言葉にしてやれよ?」

「は、はい……」

 言葉にって言われても……。なにを言えばいいんだろう。

「じゃあ、お疲れ様」

「お、お疲れ様です!」

 千歳のヤツ……。やっぱヤキモチ妬いてるんじゃない。
 どうしてウソつくかな……。
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