【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「ち、千歳っ!」
仕事を定時で切り上げた私は、すぐさま千歳の元へと向かったのだった。
「桃子? どうした?」
「あのさ、一緒に帰らない?」
「……どうした?急にそんなこと言って?」
千歳は目を丸くして私を見下ろす。
「べ、別に帰りたくないならいいけど! 私、一人で帰るし!」
「誰もそんなこと言ってねぇだろうが」
千歳は呆れたような表情を見せてくる。
「お前、ほんとツンデレだな」
「ツンデレじゃない!」
もう、何回ツンデレ言うのよ!
「待ってろ。カバン取ってくる」
「え?」
「一緒に帰るんだろ?」
千歳のことがよく分からない。なんなの?
「あ、うん」
「退勤押すわ。ちょっと待ってろ」
千歳は自分のデスクに向かうと、パソコンを操作し始める。
「……なんなの?」
さっきまでの態度はまるで違う。嫉妬心なんてまるでないように見える。
「まさか……二重人格?」
いやいや、そんな訳ないか。
「誰が二重人格だって?」
「ち、千歳!」
ウソ!まさか聞かれた!?
「俺が二重人格な訳ねぇだろうが」
「……二重人格じゃないんだ」
「お前なあ……」
もう、全然態度違うもん!