【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「ったく、訳分からねぇこと言ってねぇで、さっさと行くぞ」

「う、うん」

 千歳の背中って……すごく大きいんだな。

「なあ、桃子」

「え?……なに?」

 千歳は私の方に振り返り、立ち止まる。

「腹減らない?」

「えっ?」

 お、お腹……まあ、確かに空いたような気はするけど。

「そうだね」

「なんか食いに行く?」

「でも私、家でもうハヤシライス作ってきちゃったんだけど」

 とはいえ、昨日の残りではあるのだけど。

「ハヤシライス? それ、俺の分もある?」

「はっ?」

 ち、千歳の分?……まあ、ないことはない。

「まあ、あるけど……」

「じゃあ今からお前ん家行くわ」

「え、なんで?」

 なんでそうなる!?

「ハヤシライスあるんだろ? だったらそれ一緒に食べようぜ」

「いや、まあ……別にいいけど」

「出たよ。ツンデレ」

 千歳のツッコミに、私は「ツンデレじゃないってば!」とツッコミで返した。

「行くぞ、ツンデレ桃子」

「ツンデレは余計だから!」

 と言いつつ、千歳はニヤニヤと笑っていた。

「お前ん家、この通りだっけ?」

「そうだけど」

「ふーん」

 ふーんってなに? ふーんって!
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