【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「まあ、分かればいいのよ、分かれば」

 仕方がないから、ハヤシライスは食べさせてあげよう。

「……クソムカつく」

「なんだって?」

「なんでもねぇよ」

 千歳のヤツ、ムカつくのは私の方だっての!

「千歳、ご飯大盛りにしとく?」

「出来るなら」

「了解」

 カレー皿に千歳の分のご飯を山盛り盛り付け、ハヤシライスをかけていく。

「はい。山盛りにしておいたよ」

「お、サンキュ。 美味そうだな」

「当たり前でしょ」

 自分の分のハヤシライスを盛り付け、テーブルに並べる。

「千歳、お茶でいい?」

「お、サンキュ」
 
 お茶を出すと、千歳は「食っていい?」と子供みたいに聞いてくる。

「いいよ」

「いただきます」

 熱々のハヤシライスを大きな口でパクリと頬張る千歳。

「なにこれ、美味っ」

「美味しいでしょ?」

「美味い」

 千歳はよほどお腹が空いてるのか、パクパクと食べていく。

「ゆっくり食べなよ、千歳」

「ん」

 千歳はほんと、美味しそうに食べる。ハヤシライスこんなに美味しそうに食べるのは、千歳くらいかもしれない。

「ごちそうさま」

 あっという間に、ぺろっと平らげてしまったようだ。
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