【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「うん」

「食器向こうでいいのか?」

「あ、いいよ。私やるから」

 と言ったけど、千歳は「このくらいやるよ」と言って聞かない。

「じゃあ、シンクの中に浸けて置いといて」

「分かった」
  
 千歳は優しいのか、意地悪なのか分からない。

「ごちそう様でした」

 食べ終えた私も、食器を片付ける。

「美味かったわ」

「良かったね」

 千歳は満足そうな顔をしている。

「千歳、もう帰るでしょ?」

「今日はこのまま泊まってっていいか?」

「えっ!?」

 な、な、なんて!? 泊まってく!?

「なんで?」

「なんで?って、結婚するんだしいいだろ?別に」

「いや、て言われても……」

「もう決めたから」

 ちょっと、もう!自分勝手じゃん!

「……もう、勝手にすれば」

「そうさせてもらう」

 ……ムカつく! ほんとムカつく!

「千歳、着替えは?」

「お前の服借りる」

「え? 私のじゃ、サイズ合わないでしょ?」

「いいんだよ」
 
 よくないと思うけど!? パツパツになると思うけど!?

「とにかく、お前の服着るから」

「……分かったよ」

 なんで私は、千歳のペースにこんなに巻き込まれるの?
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