【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「桃子、シャワー借りていい?」

「いいけど。お風呂沸かそうか?」

「いや、シャワーでいい」

 シャワーを浴びるという千歳に、バスタオルを貸してあげる。

「パンダのバスタオル? かわいいな」

「かわいいでしょ?」

「お前、こういうの好きなのか」

「うん、まあね。かわいいもの好きだから」

 かわいいバスタオルを貸してあげるのは気が引けるが、仕方がない。

「シャワー右奥の扉だから」

「おう。じゃあ借りるな」

 千歳がシャワーを浴びてる間、私は男性ものの服がないか探してみる。

「……うわ、あったよ」

 男性のもののパンツがたまたま見つかったのだが、これは確か……。

「お兄ちゃんの、ヤツだね」

 前にお兄ちゃんが家にパンツを忘れたことをすっかり忘れてた。しかも何気なくTシャツもあったし。
 兄よ、感謝する。ありがとう。

「千歳、男性もののTシャツとパンツあったから、それ使って」
  
 シャワーを浴びたばかりの千歳が、リビングに戻ってくる。
 そして男性もののTシャツや下着を見て、千歳は私に「そんなものがなんであるんだよ?」と聞いてくる。

「なんでだっていいでしょ」

「は?教えろよ。……もしかして、元カレか?」
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