【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 そしてその瞬間ーーー。

「んんっ……!?」

 私は身体をグッと引き寄せられ、千歳の唇が少しだけ乱暴に重なりだす。
 
「っ……んっ、ちょっ、と……」

 身体を押し返そうとするけど、抱き寄せられてるせいか、その身体を押し返すことが出来ない。

「ち、とせ……っ」

 千歳の唇に包まれた私は、何も考えられなくなっていた。

「っ……なんで、千歳……」

 どうして、キスなんてしたの……?
 分かんない。千歳のことが、分かんないよ……。

「どうして……キス、なんてしたの……?」
 
 私のその問いかけに、千歳は……。

「……ムカついたから」

「はっ……?」

 む、ムカついたから……?

「お前が、他の男と仲良さそうに歩いてるの見て、ムカついたから」

 え、なんで……?
 なんで、千歳がムカつくの……?

「ムカつくって……意味が分からないんだけど」

 さっきから、何言ってるのか分からない。 何がしたいの?千歳……。

「……さっきのキスで、分かんなかった訳?」

 そう聞かれた私は「わ、分かんないから……」と答える。

「じゃあもっかいキスするけど、いいよな?」

「え……んんっ」

 再び千歳から、唇を重ねられる。
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