【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「じゃあ、遠慮なく」
千歳と一緒に朝ごはんを食べると、出かける準備をする。
「千歳。メイクしてくから、ちょっと待ってて」
「お前のすっぴんなんて誰も見ねぇだろ。俺以外」
「はあ?」
こ、コイツ!ほんとムカつくんだけど!
「アンタ、今すぐ出てって」
「それは悪かった」
「今日も素直なんだね」
化粧下地を指で塗りながら、私は千歳にそう告げる。
「お前が出てけとか言うからな」
「はあ?私のせい?」
「いや?」
化粧下地を塗り終えると、そのままファンデを塗っていく。
「なんか今日、メイク乗り悪いな」
「え? そう?」
ね、寝不足……だからだろうか。
「昨日、俺にあんなに抱かれたのにな?」
「は、はあ!? アンタ、何言ってんの!?」
こ、この変態!
「バカじゃないの! アンタほんとクズ!」
「そのクズに昨日あんなに抱かれたのは、どこの誰だっけ?」
「……やっぱクズじゃん」
そう思いながら、私はメイクを施していく。
「……出来た」
ブラウンのアイシャドウを塗り終えると、メイクを終えた。
「出来たよ、千歳」
「おう、じゃあ行くか」
「うん」
私たちは、出かけるため家を出る。