【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「まあ、ほんとのことだからな」
「……私、結婚とか全然考えてなかったけど、千歳となら結婚して良かったと思ってる」
千歳はそんな私の頭を優しく撫でながら「それは嬉しい言葉だな」と、おでこに優しくキスをする。
「だって……千歳が結婚しようって言ってくれたから、私の人生は変わった訳だし」
結婚する人生なんてまだ先だと思ってたから、私には想定外の出来事だった。
「まあ……もっと早くお前を手に入れておけば良かったと思ってるけどな」
「え……?」
「もっと早く、お前を俺のものにしたかった」
それってーーー。
「俺もあの時はまだ、これが愛してるってことに気付いてなかったから、お前を手に入れるのが遅くなっちまった」
愛してるってことに……気付いてなかったか。
私もまだ、最近までこの気持ちが恋だってことに気付けなかった。
千歳のことを男として意識してなかったし、まさか身体を重ねたあの日から、これが恋に変わるなんて思ってもなかった。
一夜だけの関係で終わるのではないか、内心正直に言うとそう思っていた。
これが恋に繋がるなんて……あの時は想像もしてなかったから。
「私はもう……千歳のものだよ」
「当たり前だろ」