【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
□ムカつくけど、ずるい夫
新居での生活
「桃子」
「あ、北山くん」
千歳と結婚して、あっという間に一ヶ月が経った。
「お疲れ」
「お疲れ様」
北山くんは千歳のいない所で、こうやって時折話しかけてくる。
「千歳と、ほんとに結婚したんだ?」
「う、うん。したよ」
北山くんは未だに、私と千歳が結婚したことを不思議がっている。
「桃子、今幸せなの?」
「……まあ、幸せだよ?」
「へぇ……。そっか」
北山くんは未だに納得してないのだろうな。私と千歳が交際期間もなしに結婚したことを。
「北山くんは……どう?最近」
「別に普通かな。 まあ、相変わらず彼女はいないけど」
「……そっか」
北山くんは私を好きでいてくれていたから、北山くんにもいつか幸せになってほしいなぁと、思っている。
「最近残業多いみたいだな、千歳」
「あ、うん。忙しいみたいで」
そう言った私に、北山くんは「へぇ。……まあ、もし千歳ともしケンカしたら、話くらいは聞いてやるよ」と言ってくる。
「あ……ありがとう」
なんか北山くん、すごい千歳のことライバル視してるんだよね……。
そもそも千歳とあまり仲良くないし、それも同期だからこそかもしれないけど。