【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 抵抗することなんて、出来そうにない。

「俺の腕の中で気持ちよく鳴かせてやる。……覚悟しておけよ、桃子」

「……やっぱムカつく」

 でも私は、千歳にその身体を奪われたーーー。



「んっ、ぁっ……」

 ギシギシと軋むそのベッドで、私は千歳に身体の熱をどんどん奪われていく。

「っ……も、もこ」

 千歳のその熱い身体と、私の熱い身体が更なる熱情で重なり合う。

「ち……とせっ……」

 頭の中がおかしくなりそうだった。 千歳にこうして甘く抱かれることで、自分を失いそうになる。
 どうにもならないほどの訳の分からない感情が複雑に絡み合って、私はもどかしくなる。

 なんでこんなことになってるんだっけ。なんで私は、千歳とこんなに身体を重ね合っているのだろう。 
 自分の感情が追いつかない。どうにもならない感情と、千歳の吐息と厭らしいほどに響き渡るベッドの軋む音が、私の思考をまるで歌の歌詞のように変えていく。

「桃子、俺のこと好きって言って」

「やだっ……言わ、ない……」

 千歳が意地悪なのかは分からないけど「素直じゃねぇな」と言いながら、私の手をしっかりめに握ってくる。
 私はそんな千歳に、抗うことすら出来ない。
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