【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「……おやすみ、千歳」
「おやすみ、桃子」
その日はこうして二人でくっつきあって、眠りについた。
✱ ✱ ✱
「千歳、これお弁当」
「お、ありがとさん」
結婚してから私は、自分の分と合わせて千歳のお弁当も作るようになった。お昼ご飯代を浮かせるのと、節約をするためだ。
少しでも美味しいものを食べてほしいから、千歳にもお弁当を用意している。千歳は毎日、お弁当を残さずに食べてくれる。
それは嬉しいもので、毎日作って良かったと思えるのだ。
「今日は甘い卵焼きと、ひじきの残り入れたからね」
「お、いいね。ひじき美味かったから、また食べれるのか」
「うん、夕飯の残りだけど」
千歳はなんでも美味しいって言ってくれるから、作りがいがある。
「美味いからいい」
「ありがと」
千歳は優しいんだよね……。たまに、だけど。
「よし、行くぞ」
「うん」
二人同時に家を出て、会社へと向かう。
「なんか、夫婦っていいね」
「なんだ?突然」
なんか分からないけど、夫婦って素敵だよね。
「幸せオーラ前回だな、桃子」
「それは千歳もでしょ?」
その問いかけに、千歳は「まあな」と答える。