【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 打ち合わせは思うように進まないこともあるが、アイデアを出し合うための打ち合わせだ。
 まとまらなくとも、なにかの役には立てるのではと思っている。

「観葉植物置いてあったら、確かにいい部屋だと思えるかもな」

「はい。観葉植物嫌いな人ってあまりいないと思いますし、玄関は帰ってきた自分たちを出迎えてくれる最高の場所です。 その場所になにか一つ置いてあるだけでも、人は笑顔になれます」

 そう話す私に、係長は「さすが天音だな。どうりで天音は指名される訳だな」と納得したような表情を見せる。

「いえ、そんな……」

「これからも期待してるぞ、天音」

「ありがとうございます」

 私はこの仕事が好き。店舗にもたまに出向き、お客様の反応や客層なども知る必要があるため、観察もしなくてはならないけど。
 でも新しいインテリアを選んでいる時のお客様の顔は、本当に楽しそうだし、本当に素敵だ。

 お客様の喜んでいる顔が見たくて、私はこの仕事を選んだ。 新生活を新しくスタートする人たちへのエールを込めて、私たちは日々努力していかなければならない。
 これを選んで良かった、これを使って良かった。という思いが生まれるのが、インテリアだからだ。
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