"ずっと"一緒に
ゾンビ,ゾンビ? いるわけない。これから先も,存在するわけがない。
だって,所詮人間の空想だから。
ゾンビなんて言葉があるのは,見た人がいるからじゃない。
ホラーを際立たせるために,人間が勝手に思い描いたから。
でも,そうね。
ゾンビが来たら? どこに逃げるか?
あはは,笑わせないでよ。
決まってる。
私は…いっちばん大好きな彼のもと。
だって他のどこに逃げたって,結局は死ぬんでしょ? 意味ないじゃない。
逃げて逃げて逃げて,誰かも分からない汚い死体に,はむっと噛まれるんでしょ?
冗談じゃないわ。
なら行くべきは彼のもと。
それまでは死ねないから,そこまで逃げるの。
____________________
逃げてどうするか?
察しが悪いのね。
本当に分からないの?
きっと恋をしたことがないのだわ。
いい? 答えなんて1つしかないの。
まず,別れの挨拶をするわ。
『さよなら』
ってね? 何も告げられないまま,挨拶1つ出来ないまま死ぬなんて,お互い嫌だもの。
そして次にキスをするの。
また逢いましょうって,約束を添えて。
そしたら後は何でもいい。
どんな手法でもいいから,彼を殺すの。
もちろん。出来るだけ優しくね。
そして,私は出来るだけ彼を覆い隠すように,その上で死ぬ。
彼を殺すよりきっと,ずっと簡単。
だってきっと,彼は死を目の前に,どうしたって怖がってしまうから。
私は…きっと怖いけど,目の前に彼がいれば大丈夫。
だって私は彼を愛しているもの……!
その次はもう,勝手に流れていくわ。
まず,遅かれ早かれやってくるゾンビに,最初に噛まれるのは私でしょ?
そして私はゾンビになるの。
じゃあ彼は? 1番近くにいる私に噛まれるの。
その為に,私は彼を隠して死んだんだから。
何でって,彼がどこの馬の骨とも知れないやつに殺されるなんて……悲しくて悲しくて,許せないからよ。
私達はずっと一緒なの。
彼もよく言ってくれたわ。
永遠…よ? なんてロマンチックなのかしら…!
羨ましいでしょ。
だから,私じゃなくてはいけないの。
彼を殺すのは。
反対こだっていいわ。
彼はきっと泣いてしまうけれど。
でもゾンビになるなら…出来るだけ早くがいいわね。
死んですぐの,綺麗なまま。
どうせ腐るんでしょうけど,彼の前では少しでも長く綺麗でいたい。
恋する乙女って,そうゆうものでしょ?
近くで死ぬんですもの。
意識がなくとも,そうそう離れることはないわ。
きっとね。
そう,信じてる。
ところで,ねぇ。
どうしてそんな話を今,あなたは私にするの?
…あぁ,あらあら。
とっても大変ね…!
本当に出るなんて,信じられないわ。
それ,本当なの? どうなの?
実現させたいなんて愚かな人でもいたのかしら。
まぁ,いいわ。
真実なんてどっちでも。
なら,早く。
1秒でも早くいかなくちゃ。
…彼のもとに。
本当だったら困っちゃうもの。
本当じゃなくても,どのみち私達はずっと一緒。
何も変わらないわ。
ほら,早く。
あぁあなた,教えてくれてどうもありがとう。
お陰できっと間に合うわ…!
待っていてね,大好きよ貴方。
この私が,今いくわ。
ーend
だって,所詮人間の空想だから。
ゾンビなんて言葉があるのは,見た人がいるからじゃない。
ホラーを際立たせるために,人間が勝手に思い描いたから。
でも,そうね。
ゾンビが来たら? どこに逃げるか?
あはは,笑わせないでよ。
決まってる。
私は…いっちばん大好きな彼のもと。
だって他のどこに逃げたって,結局は死ぬんでしょ? 意味ないじゃない。
逃げて逃げて逃げて,誰かも分からない汚い死体に,はむっと噛まれるんでしょ?
冗談じゃないわ。
なら行くべきは彼のもと。
それまでは死ねないから,そこまで逃げるの。
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逃げてどうするか?
察しが悪いのね。
本当に分からないの?
きっと恋をしたことがないのだわ。
いい? 答えなんて1つしかないの。
まず,別れの挨拶をするわ。
『さよなら』
ってね? 何も告げられないまま,挨拶1つ出来ないまま死ぬなんて,お互い嫌だもの。
そして次にキスをするの。
また逢いましょうって,約束を添えて。
そしたら後は何でもいい。
どんな手法でもいいから,彼を殺すの。
もちろん。出来るだけ優しくね。
そして,私は出来るだけ彼を覆い隠すように,その上で死ぬ。
彼を殺すよりきっと,ずっと簡単。
だってきっと,彼は死を目の前に,どうしたって怖がってしまうから。
私は…きっと怖いけど,目の前に彼がいれば大丈夫。
だって私は彼を愛しているもの……!
その次はもう,勝手に流れていくわ。
まず,遅かれ早かれやってくるゾンビに,最初に噛まれるのは私でしょ?
そして私はゾンビになるの。
じゃあ彼は? 1番近くにいる私に噛まれるの。
その為に,私は彼を隠して死んだんだから。
何でって,彼がどこの馬の骨とも知れないやつに殺されるなんて……悲しくて悲しくて,許せないからよ。
私達はずっと一緒なの。
彼もよく言ってくれたわ。
永遠…よ? なんてロマンチックなのかしら…!
羨ましいでしょ。
だから,私じゃなくてはいけないの。
彼を殺すのは。
反対こだっていいわ。
彼はきっと泣いてしまうけれど。
でもゾンビになるなら…出来るだけ早くがいいわね。
死んですぐの,綺麗なまま。
どうせ腐るんでしょうけど,彼の前では少しでも長く綺麗でいたい。
恋する乙女って,そうゆうものでしょ?
近くで死ぬんですもの。
意識がなくとも,そうそう離れることはないわ。
きっとね。
そう,信じてる。
ところで,ねぇ。
どうしてそんな話を今,あなたは私にするの?
…あぁ,あらあら。
とっても大変ね…!
本当に出るなんて,信じられないわ。
それ,本当なの? どうなの?
実現させたいなんて愚かな人でもいたのかしら。
まぁ,いいわ。
真実なんてどっちでも。
なら,早く。
1秒でも早くいかなくちゃ。
…彼のもとに。
本当だったら困っちゃうもの。
本当じゃなくても,どのみち私達はずっと一緒。
何も変わらないわ。
ほら,早く。
あぁあなた,教えてくれてどうもありがとう。
お陰できっと間に合うわ…!
待っていてね,大好きよ貴方。
この私が,今いくわ。
ーend