きっときみに...
01 高校生活
柚月side
柚月side
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「 おはよう、ゆず!」
私の名前は、今井 柚月 (いまい ゆずき)。
今日から高校生活が始まる。と言っても、入学式は3日前に行われていて、私は体調不良でここ3日欠席していたので3日遅れで高校生となった。
「っと...おはよ、百花。」
私のこの学校の中等部時代からの友人、百花が昇降口で私を見るなり、抱きついた。
「 ゆず、体調大丈夫なの?」
百花は、私の身体を離して私の顔をじっと見つめた。
「 うん、なんとか...?」
百花は、私の身体が弱いことを知っている。ときどき過保護なくらい心配してくれるけど、大切な友達だ。
「 ほんと?なんか顔色あんまり良くないけど。もう、無理しないでよ〜。」
「 分かってるよ、ありがとう。」
実際、今朝もそれほど体調が良いわけではなかった。けれど、流石にこれ以上休みたくなかったので、お兄ちゃんの反対を押しきって登校した。
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