きっときみに...
しばらく背中をさすっていると、呼吸が落ち着いてきた。でもその頃には、かなりぐったりして顔も赤くなっていた。
「柚月、とりあえず熱測ろう。」
部屋に置いてある体温計をさしこむ。されるがままに、ベッドで俺の膝に頭を預けている。
「柚月がいらないなんて、俺も真紘も絶対言わないからな。」
「......でも...」
不安そうに柚月はそう呟いたが、ピピピという体温計の音が鳴った。
「38.3か。結構上がってきたな。」
「病院は.....行かない」
かなり気分が落ちている柚月。ゆっくりと話したいところだが、熱も高いしまずは休ませないといけない。
「分かった。じゃあベッドでとりあえず横になって休もう」
柚月は小さく頷いて、ベッドで横になった。俺は、保冷シートを柚月の額にはり、部屋の電気を消して外に出た。
*
それから少しして真紘が帰って来た。
「ただいま。柚月の迎え、ありがとう。様子はどう?」
「さっき熱を測ったら38.3まで上がっていた。昼の診察では目眩と嘔吐があったから、かなり体調は崩れている。」
「そっか....悠も心配してたよ。」
真紘は悲しそうな顔をした。最近の柚月の様子を気にかけていただけに、体調を崩してしまったことが残念なのだろう。俺も同じ気持ちだった。
「あと、かなり気持ちが落ち込んでいて、さっき過呼吸を起こしていた。」
「えっ?」
真紘はそこにかなり驚いていたが、それも無理はない。
「魘されていて、起こしたら自分はいらないとか、だからパパもママも...って言ってパニックになっていた。」
「そうか......久々だね。そんな柚月も。」
そう言って苦笑いをした。
「僕も後で様子を見てくるよ。」