きっときみに...

  
  ・



 「 あ、ゆず、気がついた〜?」



 目が覚めると、真っ白の天井。そして、点滴がぶら下がっていて、それは私の右腕に刺さっているもの。




 あれ、病院に行った記憶はあるけど....もしかして、病院で倒れた.......




 「 悠 . . . 先生」




 白衣を着て、相変わらずゆるっとした雰囲気を身にまとっているんだけれど、どこか今朝の郁にぃと似たオーラが出ていた。




 「 ゆず、お説教しないとねぇ。まぁその前に診察しておこうか。」



 まるで診察がついでかのような言い方をした悠先生。



 「 いまどこかつらいところは?」


 「 . . . 」



 どこかオーラが怖い先生に黙ってしまった。



 「 ゆず 」



 さっきより低い声にビクッとした。




 「少し、、頭が重いです....」



 正直に言うと、先生の表情は少し和らいだ。




 「分かった。もう少し酷くなったら、薬使うけど、まだそこまでではないね。」


 「はい.....」




 「他は?」


 「大丈夫です...」


 先生はカルテを打ち込んだあと、
 

 「それでさぁ、ゆず。」


 私のベッドの前に椅子を持って来て座り、足を組んだ。



 「なんで病院の前で倒れてたの?」


 口調は丁寧なのに、怖かった。



 「えっと.....病院に着いて気が抜けて...」



 これは事実だった。



 
 「 へぇ。ちなみに、朝の約束、郁人から聞いてるよね?」


 「はい......」



 朝、学校が終わったら電話をするという約束...




 「どうして約束守らなかったの?」


 「 . . . 」



 お兄ちゃんに迷惑かけたくなかった、と頭に浮かんだけれど、結局迷惑かけてるからただの言い訳にしかならない。

 


 「ちなみに救急に運ばれて、診察したの郁人だよ?」




 それを聞いてさらに郁にぃに申し訳なくて、目に涙が浮かんだ。


 
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