虜にさせてみて?
3月の中旬。
山の麓に近い場所にあるオーベルジュは、まだ冬景色が残っている。
幸い、今日は風も弱く、お天気も良く、爽やかな日。
教会の鐘がカランコロンと響き渡り、教会の中から新郎と新婦が腕を絡めて外に出てくる。
一斉に飛び交う、小さなお花が付いたライスシャワーと『おめでとう』の歓声。
パシャパシャッとフラッシュが焚かれて、カメラに納められる瞬間にはにかみながらも笑顔になる二人。
私は高く山積みされたシャンパングラスのタワーに、シャンパンを流し入れる。
勢いよく流れていくピンク色のシャンパンが、二人の甘い恋を表しているのようだ。
皆の手元にシャンパンが届くと、カチンッとグラスがぶつかる音と共に再び『おめでとう』の歓声が上がる。
新婦のブーケが空に舞い、太陽に照らされて、落下してくる。
ブーケを手にした幸運の女性は、ニッコリと微笑み、嬉しそうだった。
「響、もっと笑顔、笑顔っ」
「……っるさい!」
「千夏さん、綺麗です。滅茶苦茶、綺麗っ」
響のタキシード姿に、千夏さんのウェディングドレス姿。
二人共、惚れ惚れする程に様になっていて、憎らしくて悔しい。
私が響の隣に立てたら、どんなに嬉しかっただろう?
響の隣で腕を絡めて、バージンロードを歩きたかったな。
私は教会に入る事は出来ず、シャンパングラスのタワーの前で、式が終わるまで待ちぼうけだった。
教会を眺めたり、景色を眺めたりして二人を待つ事しか出来なかった。
山の麓に近い場所にあるオーベルジュは、まだ冬景色が残っている。
幸い、今日は風も弱く、お天気も良く、爽やかな日。
教会の鐘がカランコロンと響き渡り、教会の中から新郎と新婦が腕を絡めて外に出てくる。
一斉に飛び交う、小さなお花が付いたライスシャワーと『おめでとう』の歓声。
パシャパシャッとフラッシュが焚かれて、カメラに納められる瞬間にはにかみながらも笑顔になる二人。
私は高く山積みされたシャンパングラスのタワーに、シャンパンを流し入れる。
勢いよく流れていくピンク色のシャンパンが、二人の甘い恋を表しているのようだ。
皆の手元にシャンパンが届くと、カチンッとグラスがぶつかる音と共に再び『おめでとう』の歓声が上がる。
新婦のブーケが空に舞い、太陽に照らされて、落下してくる。
ブーケを手にした幸運の女性は、ニッコリと微笑み、嬉しそうだった。
「響、もっと笑顔、笑顔っ」
「……っるさい!」
「千夏さん、綺麗です。滅茶苦茶、綺麗っ」
響のタキシード姿に、千夏さんのウェディングドレス姿。
二人共、惚れ惚れする程に様になっていて、憎らしくて悔しい。
私が響の隣に立てたら、どんなに嬉しかっただろう?
響の隣で腕を絡めて、バージンロードを歩きたかったな。
私は教会に入る事は出来ず、シャンパングラスのタワーの前で、式が終わるまで待ちぼうけだった。
教会を眺めたり、景色を眺めたりして二人を待つ事しか出来なかった。