虜にさせてみて?
今なら言えるかな、駿の事。
話してもいいのかな?
話したら心が楽になるとか、スッキリするとかではなく、響にだけは真実を知っていてほしい。
……ただ、そう思ったから。
「響、私の話を聞いてくれる?」
「あぁ、何だよ?」
ぶっきらぼうに答える響、でも嫌だって言わないから話してしまおう。
「駿との関係を知ってるかもしれないけど、付き合ってたの。私の方が大好きで仕方なかった。駿には他にも付き合ってる人が居るのを知ってた。けど、手放す事は出来なくて……」
泣かないように、青空を見上げて言う。
どこまでも澄んだ青が広がる空に風が流れた。
風は暑さを乗せて来て、プラスチックの容器に入ったコーラの中の氷が溶けて、カランと音がした。
音がしたと同時に響が口を開いた。
「薄々は感づいてたし、もう話さなくていいから……」
響は私のウェーブがかかった髪をクシャッと撫でた。
まるで、”辛かったんだろ”って言われたみたいに響の手は優しかった。
響はいつも言葉足らずで不器用だけど、ちゃんと優しさがある人。
人の心の傷みに敏感な人。
「俺、高校の時に初めてジェットコースターに乗ったんだ。でもこんなに何度も乗らなかったから、酔いはしなかったけど……お前は何度も乗って、酔わないの?」
「ん? 酔わないよ」
「馬鹿はスピード狂で高いところが好きなんだな、って、いてぇなっ! つねんなよっ!」
「あははっ」
響なりに気を使った言動。
一言余計なんだけれど、こんな会話も楽しいと思い始めてる。
不器用な響が垣間見せる優しさと素直さに、もっとドキドキさせてみて?
駿の気持ちが消える位、心に入り込んで、貴方で満たして欲しい。
――響とのこんな毎日も悪くないよね?
話してもいいのかな?
話したら心が楽になるとか、スッキリするとかではなく、響にだけは真実を知っていてほしい。
……ただ、そう思ったから。
「響、私の話を聞いてくれる?」
「あぁ、何だよ?」
ぶっきらぼうに答える響、でも嫌だって言わないから話してしまおう。
「駿との関係を知ってるかもしれないけど、付き合ってたの。私の方が大好きで仕方なかった。駿には他にも付き合ってる人が居るのを知ってた。けど、手放す事は出来なくて……」
泣かないように、青空を見上げて言う。
どこまでも澄んだ青が広がる空に風が流れた。
風は暑さを乗せて来て、プラスチックの容器に入ったコーラの中の氷が溶けて、カランと音がした。
音がしたと同時に響が口を開いた。
「薄々は感づいてたし、もう話さなくていいから……」
響は私のウェーブがかかった髪をクシャッと撫でた。
まるで、”辛かったんだろ”って言われたみたいに響の手は優しかった。
響はいつも言葉足らずで不器用だけど、ちゃんと優しさがある人。
人の心の傷みに敏感な人。
「俺、高校の時に初めてジェットコースターに乗ったんだ。でもこんなに何度も乗らなかったから、酔いはしなかったけど……お前は何度も乗って、酔わないの?」
「ん? 酔わないよ」
「馬鹿はスピード狂で高いところが好きなんだな、って、いてぇなっ! つねんなよっ!」
「あははっ」
響なりに気を使った言動。
一言余計なんだけれど、こんな会話も楽しいと思い始めてる。
不器用な響が垣間見せる優しさと素直さに、もっとドキドキさせてみて?
駿の気持ちが消える位、心に入り込んで、貴方で満たして欲しい。
――響とのこんな毎日も悪くないよね?