朝の光をあなたと感じて
今度とは……三日後だった。やはり土日は走ってないのか、走る時間が違うのか会わなかった。

私はいつもと同じ時間にルルを連れていたのだけど。

月曜日になり、今日は絶対会えると意気込んだ。ルルはスニーカーの靴紐を結ぶ私の横で尻尾を振っていた。

頭を撫でて「行こう」と外に出る。

彼とすれ違う場所があと少しとなり、私は目を凝らした。

遠くに見える小さな粒が人の形になるまで、見続けたい。

あ、あれだ。

お互いが寄り合っているからだろう。思いのほか、彼の形になるのが早かった。

どんなに冷静を装うとしても無理だった。口もとが自然に緩む。

「凛花ー」と手を振りながら、向かってくる彼に飛びつきたくなる。

躊躇うことなく、飛びついたのはルルだった。

彼は「おおっ」と驚きながらも、ルルに触れる。

いいな。

私も触って欲しい……って、朝から何を考えているのだか。

ダメダメ、思考がおかしくなっている。脳裏に浮かんだ怪しい妄想を追い払うために、首を横に振る。

ルルを撫でていた彼が訝しそうに私を見た。

「凛花、どうした?」

「どうもしてないです」

「そう? 三日ぶりだね。会えて嬉しいよ」
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