朝の光をあなたと感じて
「はじめまして、永井純也と申します。凛花さんとお付き合いさせていただいています」

丁寧にハッキリと言った。

姉は口を半開きにして、純也さんと私を交互に見た。

「お付き合い? ちょっと凛花、お手洗い付き合って」

「ええっ、とうして急に?」

姉は私の腕を掴み、椅子から立たせた。突然のことに驚く私を化粧室まで引っ張っていく。

化粧室には他に誰もいなかった。

姉は腕を腰にあてて、ため息をついた。

「お姉ちゃん、どうしたのよ?」

「どうしたのじゃないわよ。どういうことなのよ? お金もらって、デートしてるとかそういうバイトなの?」

「お金なんて、もらってないよ。普通に付き合っているだけ」

「普通なわけないでしょ? 相手は副社長で、いずれは社長になる人だよ? 凛花とは年も離れているし、そんな人と普通の付き合いをしているとは思えない」

姉が言うことはわかる。

つまり、純也さんと私は合わないということだ。

だけど、私たちは今日お互いの気持ちを確認した。

周りからどう思われようと、当人同士の気持ちが一番大事だと話したのだ。

だから、何を言われても気持ちは揺るがない。
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