朝の光をあなたと感じて
「お姉ちゃんが心配する気持ちはわかるけど、私たちは真剣に考えて、付き合うと決めたの」

「凛花は副社長だと知らなかったんでしょ? 騙されているんじゃないの? 大学生を弄んでいるんじゃ……」

「そんなこと言わないで! まだ付き合い始めたばかりだから、知らないことは多いよ。でも、これからたくさんのことを知っていきたいの」

姉の表情はまだ曇っている。

「付き合い始めたばかりなら、まだ傷も浅いでしょ。早くに別れた方がいいと思うよ」

付き合い始めた日に別れた方がいいと言われるなんて、悲しい。

どうして、そんなことを言われなくてはならないの……。

「ひどい……」

姉を睨んで、先に化粧室を出て、純也さんのもとに戻る。

姉は私の後をついてきた。

純也さんとお義兄さんと和やかに話していたようで、二人は笑い合っていた。

純也さんは私を見るなり、心配そうに顔を歪める。

「凛花、どうしたの?」

「別になんでもないです」

私の様子がおかしいのは明らかだっただろう。

だが、姉に言われたことを純也さんには言えない。嫌な思いをさせたくないし、悲しませたくない。
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