朝の光をあなたと感じて
お義兄さんも私たちの様子を気にかけた。

「凛花ちゃんと喧嘩でもしたの?」

姉は無言で首を左右に振る。

「帰りろう。ここで話しても無駄だから。凛花、今度家に行くね。その時にお父さんとお母さんも交えて、話そう」

「別に話すことなんか、何もない。何も話したくない」

私は頑なに拒否して、椅子に座った。

姉は小さく息を吐いて、お義兄さんと出ていく。

私は冷めたコーヒーを飲んで、テーブルの一点を見つめた。

あの様子だと姉は近々帰ってくるだろう。両親とも話すとなると、憂鬱だ。

「凛花、俺たちも帰ろうか。それと今日凛花のご両親に挨拶させてもらいたい」

「挨拶?」

「うん、玄関先で簡単な挨拶でいいから。凛花、お姉さんに付き合うことを反対されたんでしょ?」

私はこくんと頷いた。話さなくてもお見通しだったようだ。

「お姉さんには信用されていないみたいだけど、できる限りの誠意は見せたいと思う。俺たちがこれから楽しく付き合うためにね」

「ありがとうございます」
< 24 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop