朝の光をあなたと感じて
純也さんは反対されたことに不満を言わず、前を向いた。これからのために、どうするべきかと考えてくれている。

純也さんはとても頼もしい彼氏だ。

だから、彼との交際を家族に認めてもらうために、私もがんばらないといけない。

掴んだ手を絶対に離さない。

私の家に着いて、父と母を玄関まで呼んだ。二人とも何事かと不審そうに顔を出した。

純也さんは私よりも前に出て、「こんばんは」と会釈する。

父と母は突然訪れた純也さんにビックリしていた。

母が困惑気味に「あの」と話しだした。

「永井さんでしたよね? ついさっき智花(ちか)から電話で聞いたのですが、裕貴(ひろき)くんの会社の副社長さんだとか?」

智花とは姉の名前で、裕貴はお義兄さんの名前だ。姉たちは高校生の同級生で昨年結婚した。

高校生から知っていたこともあり、姉たちの結婚に両親は大喜びした。

私の時も喜んでほしいものだと思っていたが、厳しそうだ。

姉の行動は早かった。

母からの問いかけに純也さんの表情が強張る。
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