朝の光をあなたと感じて
両親に認めてもらえて、私たちはやっとスタート地点に立った。

まだ始まったばかりの恋だけど、私は彼に一生ついていくと決めている。

帰る純也さんを見送るため、私も家の外に出た。

「純也さん……今日は大変なことになっちゃったけど、ありがとうございました」

「こっちこそ、ありがとう。凛花が俺のことをしっかりと支えてくれたおかげだよ」

「そんな、私なんて何もしていませんよ」

「ううん。凛花は俺を信じて、ご両親から悪く言われないように守ってくれたよ」

彼と一緒にいたくて、反対されたくなくて、必死だったのは確かだ。

こんな私でも彼のためになれたのなら、嬉しい。

純也さんは私に手を出した。その手を掴む。

「これからよろしく」

「こちらこそ」

笑顔で握手を交わす。

純也さんはその手を引っ張って、私を自分の胸へと寄せた。

ギュッと抱きしめられて、額にキスされる。

「ご両親に見られていないといいけど」

玄関のドアを気にしながら、私を離した。離れたくないけど、今日はここまでだ。

いつか……いつまでも一緒にいられる日が来るといいな。
< 28 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop