俺はずっと片想いを続けるだけ
(そうだ、何か食べたら元気になる!)
枕元の呼び鈴を鳴らしました。
扉がノックされて、入ってきたのは旦那様でした。
「君の足が余りに速くて追い付けなくてごめん」
旦那様はベッドサイドのテーブルに朝食を置きました。
昨夜も恥ずかしかったのですが、この明るさでは私のスケスケ具合がひどくて、隠せるだけ隠したいと思いました。
私はガウンの前を合わせ、シーツを更に巻き付けました。
「走るのだけは得意なんです」
「カン蹴りのキックが正確なのと、一輪車の蛇行が見事なのも知ってる」
「……」
「君の鉄棒の前回りはすごく美しいし、使用した遊具は率先して片付ける
ひとりで居る子供を見つけたら遊びに誘って、それから、後は……」
旦那様の話は続いていますが、仰る事が理解出来ません。
全部、私の初等部の頃の話です。
「俺、気持ち悪くてごめん
ずっと見に行ってたんだ、昼休みに」
取り敢えず朝食をいただいていますが、目の前に旦那様がいて私の顔をじっと見つめているので、食べている気がしません。
今まで、こんな感じで正面から見つめられる事はなかったから……
「10年間君に片想いしてたよ」
(うっ、)
サラダを食べていたのですが、玉子を噛まずに飲み込んでしまって。
むせて咳き込んだ私にお水のグラスを旦那様が手渡してくれて、お互いの指が触れてしまい、心臓が飛び上がりました。
(何なんだ、これ、あま、甘過ぎるっ!)
今までの旦那様とは違い過ぎます!
もしかして双子の弟さんかと思うレベルの別人です。
「自分の変な所をバレるのが嫌で、格好つけてて素直になれなかったんだ」
ちょっと頬が赤くなって照れている旦那様がたまりません。
(何か私もおかしくなってる!)
「でも昨夜君に逃げられて、そこの廊下で夜を過ごして気がついた」
廊下? そこの廊下で?
夜を過ごしたの?
「もうすぐ俺は死ぬ」
枕元の呼び鈴を鳴らしました。
扉がノックされて、入ってきたのは旦那様でした。
「君の足が余りに速くて追い付けなくてごめん」
旦那様はベッドサイドのテーブルに朝食を置きました。
昨夜も恥ずかしかったのですが、この明るさでは私のスケスケ具合がひどくて、隠せるだけ隠したいと思いました。
私はガウンの前を合わせ、シーツを更に巻き付けました。
「走るのだけは得意なんです」
「カン蹴りのキックが正確なのと、一輪車の蛇行が見事なのも知ってる」
「……」
「君の鉄棒の前回りはすごく美しいし、使用した遊具は率先して片付ける
ひとりで居る子供を見つけたら遊びに誘って、それから、後は……」
旦那様の話は続いていますが、仰る事が理解出来ません。
全部、私の初等部の頃の話です。
「俺、気持ち悪くてごめん
ずっと見に行ってたんだ、昼休みに」
取り敢えず朝食をいただいていますが、目の前に旦那様がいて私の顔をじっと見つめているので、食べている気がしません。
今まで、こんな感じで正面から見つめられる事はなかったから……
「10年間君に片想いしてたよ」
(うっ、)
サラダを食べていたのですが、玉子を噛まずに飲み込んでしまって。
むせて咳き込んだ私にお水のグラスを旦那様が手渡してくれて、お互いの指が触れてしまい、心臓が飛び上がりました。
(何なんだ、これ、あま、甘過ぎるっ!)
今までの旦那様とは違い過ぎます!
もしかして双子の弟さんかと思うレベルの別人です。
「自分の変な所をバレるのが嫌で、格好つけてて素直になれなかったんだ」
ちょっと頬が赤くなって照れている旦那様がたまりません。
(何か私もおかしくなってる!)
「でも昨夜君に逃げられて、そこの廊下で夜を過ごして気がついた」
廊下? そこの廊下で?
夜を過ごしたの?
「もうすぐ俺は死ぬ」